雇用補助制度(ESS)2022

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雇用補助制度(ESS)2022

香港政府は、5月1日の午前0時以降に非香港居民の入境を2年以上ぶりに再開することを発表しました。非香港居民が観光等の目的で入境する場合、査証免除措置も適用されます。

これにより観光客や出張者の受け入れが可能となります。入境には香港居民と同じくワクチン接種済であることが求められ、出発前48時間以内のPCR検査の陰性証明書と、7日間の隔離ホテル予約確認書の提示が必要です。さらに香港国際空港到着時、PCR検査と同時に「迅速抗原検査(RAT)」も実施されるようになり、今後は「迅速抗原検査」の結果が陰性であれば、指定の検疫ホテルでPCR検査の結果を待つという流れになります。

さらに、各航空会社に対する着陸禁止ルールも5月1日(日)より緩和されます。現在「同じフライトで3人以上の陽性者が確認された場合、同航空会社の同路線を7日間着陸禁止する」という規則ですが今後は「同じフライトで5人以上または5%以上の陽性者が確認された場合、同航空会社の同路線を5日間着陸禁止する」へ変更されます。

ワクチンの3回目接種が完了していれば、日本に帰国後の隔離も免除となりますので、日本と香港を往復した場合の隔離期間は香港での7日間のみとなります。今後の感染状況にもよりますが、観光やビジネスにおける往来が現実的に再開されたことは大きなインパクトですね。

さて、第5波の影響を受けた企業に対し財政支援を提供するための新たな雇用補助制度/Employment Support Scheme(ESS)についてです。本スキームは香港政府が労働者の雇用を保障することを目的に、対象となる雇用主へ補助金を支給すると発表しており申請の受付が2022年4月29日より始まります。これにより、約16万人の雇用者、160万人の従業員、および14万人の自営業者が、支援措置の恩恵を受けると推定されています。

基本的なESSスキーム内容は下記の通りです。

  • 申請期間:2022年4月29日~5月12日
  • 補助の受給期間:5月~7月の3ヶ月
  • 1企業あたりの申請最大従業員数:1,000人
  • 補助金額:8,000香港ドル/月。

さらに、下記の条件も加わり対象者が拡大しました。

  • 賃金補助の対象となる従業員の月給の上限(HK $ 30,000)を撤廃する。
  • 雇用主が、賃金補助の対象となる人数を設定するために、2020年ESSスキームのデータまたは2021年の第4四半期のいずれかを選択できる。
  • MPFに加入済パートタイマー、臨時職員、自営業者、65歳以上の従業員も対象とする。
  • 第5波の影響が少ない業界でも100人を上限に申請できる。(従業員の多い大手スーパーマーケットやコンビニエンスストア、金融機関、不動産関連の企業など)
  • 月収HK$3,000~HK$8,000のパートタイムおよびフリーランスも申請可能、補助金は半額のHK$4,000となる。

<申請者について>

雇用者
申請者は、企業/組織/自然人の立場で申請する必要があり、下記の全ての基準を満たしている必要があります。

  1. 除外リストのパートIにリストされている雇用主ではないこと。
    ※地方自治体、外国政府、法定機関、その他の上場企業の雇用主などが対象外です。
    除外リスト:https://www.ess.gov.hk/doc/Exclusion_List_eng_2022_04_18.pdf
  2. 2021年12月31日以前にMPFスキームか、ORSOスキームに加入していること。
    ※ORSOスキームは職業退職計画といってMPF以前からの民間の年金積立制度です。
  3. 清算、登録抹消、休止状態になっていないこと。
  4. 2022年5月10日までに、2020年ESSスキームにおける返金や罰金を済ませていること。

自営業者

申請者は、自営業者として個人の立場で申請します。
2021年12月31日以前にMPF「自営業者アカウント」を作成し、申請時にアカウントが取消されていないこと。また、自営業者が複数のアカウントを持っている場合でも、提出できるのは1回のみ。

<賃金補助と計算方法について>

2020年ESSスキームで補助を受けた企業は、当時の資料に基づき申請手続きを行える。当時から雇用人数を増やした企業は、21年第4四半期(10~12月)のMPFの記録に基づいた申請も可能。

「月給」は、MPFの記録に示されている収入、またはORSOスキームに加入している従業員の実際の賃金を指す。これには、給与、手当、コミッション、ボーナスなどが含まれるが、非金銭的給付、退職金などは含まれない。従業員の賃金が月給ではなく日給などの場合、または月収が不安定な場合は、月給の形に換算する。 従業員は、「基準月」にMPFスキームに加入している18歳以上の「正社員」および「臨時従業員」と、ORSOスキームに加入している香港ID保有者である18歳以上の従業員を対象とする。申請者が1人の従業員に対し複数のMPFアカウント、ORSOスキームを設定している場合も、その従業員は1人として計算する。

<申請方法>

申請を希望する雇用主または自営業者は、オンラインで申請書類に記入後、提出すると同時に必要な書類をアップロードする。その後、受領確認のための確認メールとSMSが送信される。2020 ESSで承認された申請書を持っている雇用主は、2020ESS申請番号と事業登録番号を使用して申請書を提出する必要がある。一度提出すると、申請をキャンセルまたは変更することはできない。申請内容に不備がある場合は、メールまたはSMSにて申請者に通知が送信され、指定された日付までに補足情報を提出する。

提出に必要な書類詳細

雇用主:https://sess.gov.hk/doc/2022ESS_InfoRequiredTable(ER).pdf

自営業者:https://www.ess.gov.hk/doc/2022ESS_InfoRequiredTable(SEP).pdf

<補助金の受給>

メールとSMSで申請者に申請結果が通知される。申請が承認された場合、補助金は申請書に記載されている申請者の銀行口座に下記のように分けて入金される。

1回目:5月分

2回目:6月分

3回目:7月分の70%

4回目:政府に返還される補助金や罰金があれば差し引かれた残りの額