新年の話題と金(ゴールド)のお話

Uncategorized

新年の話題と金(ゴールド)のお話

2023年元旦は、ビクトリアハーバーにて3年ぶりのカウントダウンイベントが行われました。多くの人がビクトリア湾の両岸に集い、新しい年の幕開けを盛大に祝いました。香港はこれから旧正月(1月22日)に向け、祝賀ムードが一層高まって行きます。

さて、年末から引き続いて日本、香港、マカオ、中国本土など水際対策の緩和や強化の動きがありました。1月8日には、約3年振りに隔離措置無しで中国―香港間の出入境が再開され落馬洲、深圳湾、港珠澳大橋、文錦渡、そして中港フェリーターミナル、香港マカオ・フェリーターミナルからの出入境者はおよそ4.8万人と伝えられました。内訳は中国から香港への入境者が1.3万人、香港から中国への出境者は3.5万人ということです。それに合わせて香港内の公共交通機関も再開し、MTR落馬洲駅も再開されました。落馬洲~天水囲・元朗のバス、深圳湾口岸~屯門のバスも運行を再開し、出入境者の移動手段としての役割を復活させました。

今後、旧正月に向け帰省などで中国―香港間を出入境する人は大幅に増える見込みです。現時点で中国―香港を往来するにはオンライン予約システムからの事前申請が必要で、出入境ともに上限6万人となっていますが、いずれ段階的に上限を増やし、上限そのものも撤廃されるということです。隔離は不要となりましたが香港、中国のいずれも入境前48時間以内のPCR検査の陰性証明は必要となります。

さて旧正月前に中国語で新年の挨拶をおさらいしますと、一般的に中国全土で広く使われている中国語での新年の挨拶はハッピーニューイヤーを意味する「新年快楽」「新年好」と言います。そして、それに続いておめでたい四字熟語を言い合う習慣があります。

「身体健康」(健康でありますように)

「万事如意」(万事思い通りでありますように)

「事業順利」(商売が順調でありますように)

同じ中華圏ですが香港では広東語で

「恭喜發財」(儲かりますように、お金持ちになりますように)

が最もよく使われます。自分でビジネスをしている人に限らず、香港人なら誰もが口にする新年の一般的な挨拶です。

もちろん日本人でも商売繁盛の願掛けはありますが、身近な人とお金儲けの話をするのは卑しい、恥ずかしいという風潮があり、香港人ほど直接的にお金のことに触れるのはまだまだ憚られるものです。その点、香港人にとってお金が儲かることは非常に素晴らしいことです。もちろん日本人でもお金が嫌いな人はいないでしょうから、根底は同じかもしれませんが、それを表に出すかどうかが文化の違いでしょう。長らく香港はイギリスの植民地だったことから人々は主導権のない政治への関心は薄く、明日のことが分からない中で信用できるのはお金だけでした。お金こそが自由をもたらすと考え、それが今日の香港経済の成長に繋がっています。

今の日本の大人たちは子どもの頃にお金について家庭や学校で学ぶ機会はほとんど無かったと思います。ここ最近は日本でもようやく金融知識の必要性が重要視されてきて、お金についての教育も推奨されてきました。香港では学校での金融教育が進んでおり、幼稚園児からお金について学ぶことができます。一昔前と違って、一口にお金といっても現金だけではなくICカード、QRコードなどの電子マネー、クレジットカードなど、今ではその種類も多岐に渡ります。そして金利が良かった昔のようにお金は銀行口座に貯めるだけではなく、投資や金融商品等を活用し運用する知識を身につけておくことが、将来を生きるための手段となります。最近は暗号資産(仮想通貨)も登場して詐欺なども後を絶たないことから、金融リテラシーを高めることは詐欺から身を守ることにも繋がります。

それから香港では一般的に金(ゴールド)も資産所有の方法として広く浸透しています。香港の街角には貴金属店が多く、金で造られたアクセサリーや豚などのオブジェが大々的にディスプレイされています。香港人はもちろん中華圏の人は金を非常に好みますが、それはお守りとしての意味と資産としての価値があるからです。日本で金を買ったり売ったりすると消費税がかかりますし、日本で金を売買する習慣は根付いていません。一方、香港では金の売買に消費税はかかりませんので、売買も盛んに行われています。毎日の金のレートは為替レートのように貴金属店に表示されており、手持ちの金を持ち込めばその日のレートで買い取ってくれます。金の買取は重量単位ですので、仮にアクセサリーとして壊れていても資産価値はあります。日本のアクセサリーでは18Kをよく見かけますが、香港の貴金属店では24Kの商品が豊富に売られています。18Kは金の含有量が75%、24Kは他の金属を混ぜていない純度999.9の純金を指します。資産として換金するためには24Kでなければならないのです。よく香港や中華圏の方の結婚式では、新婦に24Kのジュエリーがたくさん贈られ、新婦がジャラジャラ重たいほどの金を身につけている姿が見られますが、これは祝福されて嫁いだという象徴です。この時に授かった24Kのジュエリーはもちろん普段使いではなく、大切に資産として保管されます。