入境措置緩和後と香港の秋

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入境措置緩和後と香港の秋

香港では9月26日よりホテルの強制検疫が免除され、強制隔離0日+医学的観察3日の「0+3」措置が実施され半月が過ぎました。今後は「0+0」措置へと拡大し、入境後の検疫を撤廃するよう求める世論も徐々に高まっています。11月は大きなイベント等が控えており、香港内では海外からの来客の惹きつけるためにも「0+0」措置を10月内に実現して欲しいという声が上がっています。医学専門家によると、香港ではすでに多くの市民がワクチン接種済で、新型コロナウイルスで陽性になったことがある人も大半であるため、集団免疫が獲得できていると考えることもできるようです。香港が対外的に開かれると経済的に大幅な回復が見込めるのは間違いないでしょう。ただ政府の見解はもう少し慎重で、現時点においては「0+3」が最も適切な措置としており、もし「0+0」を実現するとすればマスク着用令とワクチンパスを引き続き実施した上で考慮するとしています。

さて10月の香港はまだ暑いものの、朝晩の気温が少し下がる日があり秋が感じられるようになりました。香港は亜熱帯気候で一年を通して湿度が高く気温も高いイメージですが、日本と同様に四季があり、季節の変わり目には気候の変化を感じることができます。10月に入って新界では朝晩と日中の気温差、湿度が低くなり乾燥しはじめるなど日によって秋の気配が見られます。

春夏秋冬の季節をさらに細かく表した「二十四節気(にじゅうしせっき)」で言うと、10月8日~23日頃は「寒露」と言います。この時期は夜が長く、白露よりも気温が低いという意味で、朝晩は冷え込み始め、秋晴れの日が続くころです。二十四節気は太陽の日長変化に関わる暦で、四季をさらに細かく六つずつに分け、一年を二十四等分して季節を表します。例えば秋は8月~10月にかけ「立秋」「処暑」「白露」「秋分」「寒露」「霜降」の順に気候が移ろい、続いて冬は11月~翌1月を「立冬」「小雪」「大雪」「冬至」「小寒」「大寒」の順に変化します。

二十四節気はもともと農作業の目安のため中国で作られた暦であり、日本でも重宝されていました。中国本土の中原(河南省周辺)の気候に合わせて作られているため、実際には日本の気候とは合わないところもあり、日本では補足的に「土用」「入梅」など独自の季節の区分けが取り入れられています。日本に限らず香港においても中国華北地方とは気候の差異があるため、二十四節気で表している時期と実際の気候に多少の差異が生じますが、いずれにしても季節は二週間ごとに変化していると理解することができます。

香港で一番寒くなるのは旧正月の前、つまり「大寒」の頃です。香港でも年によっては10度を下回ることもあり、冬はそれなりに寒い日があります。香港天文台によると統計開始以来、香港で最も寒かったのは1893年1月18日の0度ということで、大帽山ではかつて数回、降雪を記録したこともあります。香港で最後に雪が降ったのは1975年と記録されていますが、近年は温暖化の影響からか長らく香港で雪は見られていません。ちなみに雪とは別に、夏など暖かい季節にも見られる雹(ひょう)は香港でもまれに降ることがあります。香港ではこれまで40回もの雹が降った記録があり、中でも1983年は1年で7回も雹が降りました。近年では2016年7月と2021年の9月に1回ずつ雹が降りニュースになりました。

香港の秋ですが、10月頃からのこの時期は雨も少なく香港を旅行するには最適と言えます。水際対策の緩和で香港発着の海外旅行が注目されていますが、海外から香港を訪れるには今が一年で最も過ごしやすい時期です。

コロナ以前は10月の恒例行事だった「オクトーバーフェスト」が今年は中環街市で久々に開催されます。イベント名は「中環街市 x 如心酒店集團啤酒節 2022 / Central Market x Nina Hospitality Oktoberfest 2022」となっており、開催日時は10月18日~31日の夜17時~23時(金、土は~24時)、会場内では音楽の生演奏を聞きながらドイツビールやドイツ料理を楽しんだり、ビアグラスのワークショップを楽しんだりすることができます。「中環街市」は昨年リニューアルオープンしたばかりで、レトロな趣を残したアート感溢れる人気のスポットです。フォトジェニックな場所としても話題となりコロナ禍の香港でもリニューアルオープン後は多くの香港市民が訪れました。

また、日本総領事館による「日本秋祭in香港–魅力再発見–」が9月22日より開催されています。2016年から今年で6回目となります。このお祭りは10月~11月をメインに12月まで、映画、公園、芸術、スポーツ、教育、セミナーなど日本関連の100以上のイベントが香港内の各地で行われます。日本映画の上映、草間彌生さんの作品展示など盛りだくさんの内容となっています。この秋祭は参加企業や団体が総力を挙げて盛り上げ、香港への感謝を示すとともに、香港の人々に対し、日本の魅力をもっと知り、楽しむ機会を提供することが開催の趣旨となっています。

2022年日本秋祭in香港-魅力再発見- (japanautumnfesinhk.net)