今年で70回目を迎えるマカオグランプリが11月11日~12日、16日~19日の6日間にわたって開催されます。例年は11月中旬の木~日の週末にかけ4日間の開催ですが、今年は2週間の週末にわたり計6日間の開催で70周年の記念すべき大会となっています。すでにエントリーリストは公開されており計27台、9チームがマカオに集結します。そして、ここ数年はコロナ禍で縮小開催されていたものの、今年は4大レース(下記の★)が揃います。今年に限らず早くも今後3年間のマカオグランプリも引き続き開催されることが決定しています。
第一週目の11月11日~12日は5種のレース:
- マカオフォーミュラ4(F4)レース
- TCRアジアチャレンジ
- マカオロードスポートチャレンジ
- グレーターベイエリアGTカップ(GT4)
- グレーターベイエリアGTカップ(GT3)
第二週目の11月16日~19日は6種のレース:
- ★フォーミュラ3(F3)マカオグランプリ – FIA F3ワールドカップ
- ★マカオGTカップ – FIA GTワールドカップ
- ★マカオギアレース – クムホTCRワールドツアーイベントオブマカオ
- ★マカオモーターサイクルグランプリ – 第55回大会
- マカオツーリングカーカップ – チャイナツーリングカーチャンピオンシップ
- マカオグランプリ70周年記念チャレンジ
マカオグランプリ(澳門格蘭披治大賽車、Macau Grand Prix)は1954年より開催されている世界的に有名な市街地レースです。一般的なレース場とは違って普段は市民や観光客が行き来する、世界遺産の街・マカオの街中6.2㎞をレースカーが高速で走り抜ける様子は圧巻です。選手にとっても路面のコンディションによって走行が左右されやすく、急カーブも多く、そして道幅も狭い、難易度の非常に高いコースとして知られています。これまでミハエル・シューマッハ、アイルトン・セナ、佐藤琢磨が優勝してF1で活躍するようになったことから、F1への登竜門としても有名です。コロナ禍の2020〜2022年も何とか中止にはならず開催されていましたが、渡航制限のため中国チームと香港チームによるGTカップ、F4メインレースが行われました。今年はようやく渡航制限が解除され、海外から多くのチームやドライバーが参加できるようになりました。観客席もフルオープンの1.5万席が用意されています。
レースの観戦は全席指定のためチケットの事前購入が必要です。観戦席はスタート地点に近い「グランドスタンド」と、急カーブがある「リスボアスタンド」があります。リスボアスタンドはカジノで有名なホテル「リスボア」の前にあり、急カーブが広く見渡せ、時速250㎞超えの90度コーナリングが間近で見れます。このポイントはクラッシュも多いので見ている方も緊張しますが、やはり選手の腕の見せ所でもある難所なので観戦ポイントとして非常に人気があります。
そして、レースの観戦と共に是非とも足を運んで欲しいのが「マカオグランプリ博物館」です。こちらの博物館はマカオ政府観光局により運営されており、2021年にリニューアルオープンしました。館内には歴代のレースカーが展示されており、マカオグランプリの歴史を知ることができます。今回の第70回マカオグランプリの開催に向け、11月1日より特別イベントも行われます。VRを活用した360度レース観戦体験、70年の歴史を振り返る映像作品の上映、そして11月からは毎夜19時~22時、博物館の壁にマカオグランプリ70周年を記念した3Dプロジェクションマッピングが投影され、大会開催へ向け雰囲気を盛り上げます。10月27日から11月19日までは「オラクル・レッドブル・レーシング」をテーマにした特別展示も行われています。マカオグランプリが行われる6日間も休まず営業し、博物館は夜21時半まで営業時間を延長する予定になっています。
少し前までは香港からマカオへ行くにはフェリーが主流でしたが、現在はフェリーかバスの2通りがあります。
<バスでのアクセス>
港珠澳大橋を通って陸路でアクセスします。香港市内にもバス停がいくつかあり、複数のバス会社が運行しています。海外から香港経由でマカオへ行く場合は、香港国際空港からトランジット扱いでマカオに陸路でアクセスできるクロスボーダーバス「澳門香港機場直達(Macao HK Airport Direct)」が便利です。これにより香港での入出境手続きは不要となり、直接マカオへ入境できます。
<フェリーでのアクセス>
香港側フェリーターミナルは3か所(香港マカオフェリーターミナル、チャイナフェリーターミナル、香港国際空港スカイピア)、マカオ側フェリーターミナルは2か所(タイパフェリーターミナル、アウターハーバーフェリーターミナル)あります。高速フェリーはターボジェットとコタイウォータージェットの2社が運航しており、所要時間は約1時間です。
普段それほどモータースポーツに興味がないという人でも、マカオグランプリは一見の価値があります。実際にレースを観てみると、白熱するエンジン音、タイヤの匂い、瞬く間に駆け抜けるレース―カーの速度、普段のマカオとは違った街の熱気など、テレビ画面を通しては味わえない興奮を体感することができます。