5月1日(水)はメーデー (労働節)のため香港は祝日です。香港政府観光局によると当日の夜20時から、ビクトリアハーバーで花火が上がると発表されています。香港は5月1日のみ祝日で休み、カレンダー上のゴールデンウイークはありません。ただ中国本土が5月1日~5日を5連休としているため、中国本土と取引が多い企業にとっては開店休業状態に近くなり、この時期を利用して個人的に有給を使うなどして海外旅行へ出かける人も少なくありません。また中国本土からゴールデンウィークを利用して香港へ遊びに来る人も多く、香港の観光業は書き入れ時となります。日本もゴールデンウィークになりますが、円安がどんどん進んでいるこの時期に日本から円を持ってくると、以前とのレート差に驚いてしまうことでしょう。逆に香港ドルを持って日本へ旅行するなら、今の為替レートは非常に良いので、香港人や香港在住日本人の方は円安の恩恵を存分に受けられますね。
日本のインバウンドは順調に回復しており、台湾や香港からのリピーターも戻ってきました。リピーターは東京や大阪などの大都市だけでなく、日本の各地を訪れることが特徴です。初めて日本を訪れる人が行ってみたい日本の都道府県はやはり東京、大阪、北海道、沖縄、京都ですが、一方でリピーターが次に行きたいと挙げている都道府県には青森、山形、秋田、福岡、鹿児島、など東北や九州の名前が上がります。実際のところ京都などはオーバーツーリズムが問題になっており、ホテルやコインロッカーの深刻な不足、観光地の混雑も目立ってきています。せっかくの観光地を訪れても混雑で楽しめなければ台無しです。ゴールデンウィークは日本国内の観光客も増えるので、いつもより混雑が予想されます。旅慣れた旅行者ほど、そういった観光地の混雑を避けて、観光客が少ない地方の穴場をゆったり旅したいと考えるようになるようです。円安によって日本での消費がお得に感じる今、是非とも多くの香港人、外国人に日本の魅力をゆったり感じて頂きたいものですね。
国別の訪日外国人数を調べると、現在は韓国、台湾、中国本土、香港、という順になっています。香港人の人口から考えても、香港がこれほどの割合を占めるのは香港人の多くが何度も訪日しているリピーターであることが分かります。日本で観光マーケティングを考える場合、やはりこの近隣国からのお得意様をいかにもてなし、再訪してもらえるよう促すかがカギと言えるでしょう。香港人にとって日本は今なお他の国と比べても魅力的な旅先です。日本もさらなるインバウンド向け観光整備を進め、少なくとも中国語や韓国語の表記は日本全国どこであっても必要となるでしょう。
さて、香港の巷で議論されている話題のひとつとして、香港では4月22日よりプラスチック食器の提供が禁止となりました。環境問題への対策として、この規制については昨年10月に「PRODUCT ECO-RESPONSIBILITY (AMENDMENT) BILL 2023」が可決され、4月22日より正式にスタートしました。第一段階、第二段階と分けて進められ、4月22日からは第一段階として、プラスチック食器(発泡スチロール、ストロー、スプーン、フォーク、ナイフ、マドラー、お皿)について店内飲食やテイクアウトでの提供が禁止となります。プラスチックのカップとふた、容器とふた、については今回開始された第一段階では店内飲食での提供は禁止ですが、販売とテイクアウトでは対象外となっています。
今後6か月間の間は適応期間として、違反した業者に対して厳罰はなく、適切な指導をするとされています。次の第二段階では、カップとふた、容器とふたも含め、販売や店内飲食、テイクアウトでの提供も禁止となる予定です。
また飲食関係以外では、持ち手がプラスチック製の綿棒、雨傘用のビニール袋、スポーツ観戦などで使用する長細いバルーン、メガホン、コンサートなどのサイリウムライト、パーティなどで使用するハットなどが規制対象となります。
そして、チキン専門店などで提供されていた、チキンを手で食べる際に使用する透明な使い捨て手袋や、ポケットティッシュは有償なら販売可能ですが、無償提供は禁止となります。
さらに有償であれば提供可能、となっているものが宿泊施設などで提供されていた大半のアメニティグッズです。プラスチック歯ブラシ、シャワーキャップ、かみそり、くし、プラスチック容器入りのシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ローション、ハンドソープなどが対象で、今後は有償であれば提供されます。アメニティ以外では客室内に置かれていたペットボトルの飲料水も今後は容器を瓶に変えるなどホテル側もひと工夫が必要となります。
大都市であり先進的な香港ですが、これまでごみの分別が実施されていませんでした。今回のプラスチック製品の販売・提供の禁止は、人々の環境問題への意識を身近から変える良いきっかけになりそうです。こういった政策は最初こそ違和感があり不便を感じますが、エコバックの導入時と同様、新たな生活様式に取り入ってしまえばそれほど難しいことではないでしょう。