2025年 香港の旧正月の過ごし方

Uncategorized

2025年 香港の旧正月の過ごし方

2025年の旧正月は1月29日(水)が元旦です。香港は31日(金)までが三が日の祝日で、多くの人は土日と合わせて5連休になります。1月29日(水)の夜には尖沙咀で恒例のフロートパレード「2025キャセイ インターナショナル・チャイニーズ・ニューイヤー・ナイトパレード(國泰航空新春國際匯演之夜)」が行われます。今回のフロートは9台あり、香港だけでなく海外から招かれた有名なパフォーマーチームによる華やかなパフォーマンスを沿道から見ることができます。香港からはキャセイパシフィック航空をはじめ、香港ディズニーランド、オーシャンパーク、香港政府観光局、ジョッキークラブなどが参加します。パレードは香港文化中心をスタートし、広東道、海防道、ネイザンロードを通って、シェラトン香港ホテルが終点となる予定です。また旧正月2日目となる1月30日(木)の夜には、ビクトリアハーバーで恒例の花火大会が行われます。

大埔の林村/Lam Tsuenにある許願樹(願掛けの木/Wishing Tree)も、この旧正月の時期になると多くの人が訪れます。林村は700年以上前、南宋王朝時代から続いている村で、古くから許願樹への願掛けが信じられています。許願樹は2本の大きなガジュマルの木で、村人たちはこの2本の木を神様とみなし、根元に線香をともして幸福を祈るため別名「お香の樹」とも呼ばれます。人々はこの樹に向かって願い事を書いた紙(寶牒)を投げて願掛けをするのですが、樹の高い所へ届くほど願いが叶うとされています。かつてはこの紙にみかんを付けて投げていましたが、最近では安全のために樹もみかんもプラスチック製に変わりました。人気のあるスポットなので旧正月は特に賑わいます。林村ではこの許願樹をメインとしたイベント「香港Wishing Festival 2025」が開催されます。期間は1月29日~2月4日の朝8時半~午後10時、2月5日~12日は朝8時半~午後19時の予定です。マーケットでは様々なブースが用意されますので大人から子供まで賑やかなお正月の気分を味わえます。日没後は許願樹がライトアップされ夜空に美しく浮かび上がります。また元旦の夜のパレードで使用したフロートも展示される予定です。

旧正月には寺院へお参りする人も多くいます。観光地として海外からの旅行客にも有名な黄大仙もそのひとつ、おみくじを引いたり占い師に新たな一年の運勢を占ってもらったりします。大晦日の夕方から外に並んで、一番福ならぬ「一番線香」を狙う人もいます。大圍にある車公廟も幸運の風車があり、願い事を唱え銅製の風車を3回回すと幸運が訪れるといいます。

西暦では2025年1月1日の元旦を過ぎると新しい一年が始まりますが、中華圏では旧正月を迎えることで本格的に新しい一年が始まると考えます。新しい干支は乙巳(きのとみ)、蛇年です。成長、発展、挑戦、転換、など新たなエネルギーが高まる一年と言われています。蛇は「不老長寿」を象徴し、神の使いとして信仰されてきました。大都会の香港においても蛇は身近で、冬になると蛇のスープで体を温める食文化もあり蛇は重宝されています。香港郵便は新年のお祝いとして乙巳年をテーマにした記念切手を1月5日より発売しています。中国本土、マカオの郵便局でも同様の記念切手が発売されますので、コレクションしても楽しめます。

この新年の時期によく本屋や街角の新聞スタンド、コンビニなどで見かける暦の本「通勝(トンセン)」も、香港ならではです。この本には1年分の暦が載っていて、日本でいうところの「吉日」を選ぶ参考にしたりします。若い世代になると結婚式の日取りくらいでしかこの本を手に取ることはないかもしれませんが、上の世代の人ほど生活にも風水を取り入れており、暦を大切にしています。この本には、その日に控えたほうがよいこと、その日に運勢が強い干支、吉方位などが細かく書いてあり引っ越しや商売などの参考にします。

旧正月は香港の人々にとって一年で最も大切な時期です。香港の人々とかかわる上で知っておきたい旧正月の基本的な過ごし方を時系列でおさらいしましょう。

旧正月の前々日:大掃除をします。部屋の中をきれいにして新しい年を迎える準備をします。

旧正月の前日:大晦日です。夕食は家族で集まり団欒のひと時を過ごします。食事が終わった

ら花市(フラワーマーケット)を歩いて旧正月の雰囲気を楽しみます。

元旦:親戚の家、友人の家を訪れ挨拶回りをします。既婚者の場合、会った人(未婚者、子供、お世話になっているスタッフなど)にはお年玉「利是」を渡します。利是は相手により異なりますが目安20~500香港ドルくらい、金額は4を避けた偶数が基本です。

2日目:この日も新年の挨拶回り、お寺にお参りしても良いでしょう。

3日目:赤口で挨拶回りをすると喧嘩になるという言われから、この日は挨拶回りをせず、家で過ごします。お寺のお参りはできます。また新春競馬「賀歲馬」が開催されます。

そして三が日を過ぎた4日目から日常に戻ります。

香港の街全体が賑やかで華やぐ季節、是非皆様もよい旧正月をお迎えください。