寒波の中の熱気:香港マラソン2025の魅力

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寒波の中の熱気:香港マラソン2025の魅力

旧正月が明け香港に寒波がやってきました。2月3日は立春で暦の上では春の始まりですが、旧正月前後の香港は一年で最も寒く、気温も10度近くまで下がります。例年、最も寒いのはこの時期だけなので香港では暖房器具を使う習慣は無く、とにかく部屋の中でも厚着をし、温かいものを食べて、体を冷やさないように過ごします。

そんな寒空の下、2月9日(日)は毎年恒例の「スタンダードチャータード香港マラソン2025(渣打香港馬拉松/Standard Chartered HK Marathon)」が開催されました。「香港マラソン」とも呼ばれ海外からも大変人気のある国際マラソンで、今年も100を超える国や地域からプロ選手を含めた74,000人が参加しました。1997年から始まったこの「スタンダードチャータード香港マラソン」は、中国香港体育協会(HKAUA)が主催し、大手銀行グループのスタンダードチャータード銀行が後援しています。この「スタンダードチャータード香港マラソン」の前身となるのは1992~1993年に開催された「香港・深圳マラソン」で、その名の通り香港(粉嶺運動場)をスタートし、落馬洲皇岡口岸を経由して、深圳体育中心をゴールとする総距離42.195㎞を走るコースでした。その後は資金の関係で開催されませんでしたが、ちょうど香港返還を迎える年である1997年2月にスタンダードチャータード銀行が香港(上水)~落馬洲~深圳をコースとするマラソンイベントを後援したことから、現在の「スタンダードチャータード香港マラソン」が始まりました。1998年には赤鱒角に現在の香港国際空港が完成したことから香港マラソンは空港で開催され、それ以降は香港の市内をスタート地点・ゴール地点として開催されるようになりました。種目はフルマラソンの他に10㎞、ハーフも加わり、また車椅子レース、ジュニアラン、親子ランなども始まり、より多くの人が参加できるようになりました。そして大変人気となったためエントリーは抽選となり、抽選に外れて参加が叶わない人が出るまでになりました。香港マラソンの魅力は何といっても大規模イベントの高揚感、そして普段と違った香港の景色が楽しめることでしょう。まだ薄暗い明け方から始まるためスタート直後は遠くに美しい夜景を眺めることができます。そしていつもなら多くの車が行き来するメインストリートの真ん中を、そして橋やトンネルを、その日だけは自分の足で走ることができるのも醍醐味です。沿道からはたくさんの人が声援を送ってくれ、ランナーの自分への挑戦にパワーを与えてくれます。そうした香港の人々の優しさとエネルギーに心が温まるでしょう。香港マラソンへの参加を目標に日頃からマラソンを習慣にする市民も増えました。マラソンは当日だけのイベントだけに留まらず、人々の日常に溶け込んで健康増進の役に立っています。

今月2日、台湾の俳優バービー・スーさん(徐熙媛)が48歳で亡くなりました。旧正月に日本を旅行中、インフルエンザから肺炎を併発し東京で息を引き取ったと伝えられています。バービー・スーさんは2001年に日本の漫画「花より男子」を実写ドラマ化した「流星花園」のヒロイン役として出演し国民的人気女優となりました。当時このドラマは大ヒットし、台湾はもちろん香港、中国本土などでも人気があったため、今回の訃報は各地で大ニュースとなりました。若くして亡くなられたこともあり多くの人がショックを受け悲しみに暮れています。今回のことからインフルエンザに対する社会の警戒心も急激に高まり、インフルエンザ予防のワクチン接種を積極的に受ける人が急増しました。台湾では昨年10月から高齢者や妊婦、持病のある人などハイリスクな人から優先的にワクチン接種を行っており、年明けからは一般の人への接種が始まっていました。バービー・スーさんの影響で2月にはワクチンの需要が急拡大し、台湾政府はワクチンを追加購入しました。あらためて高齢者や持病のある人、妊婦などリスクの高い人から優先して接種する計画です。香港の衛生局衛生保護センター(CHP)は日本や香港を含めた北半球の多くの国や地域でインフルエンザの流行が高いレベルにあるため、インフルエンザの予防ワクチン接種を受け、自分や家族の衛生管理をするよう呼び掛けました。さらに香港にいるときはもちろん、旅行先においても予防を怠らないよう注意喚起しました。インフルエンザシーズンは1月初めから始まっており、香港でのインフルエンザによる死亡例も122件に上ると発表しました。インフルエンザは予防ワクチンを接種することで、例えインフルエンザに罹っても重症化や死亡のリスクを減らすことができるため、生後6か月を過ぎた子供から高齢者まで、ワクチン接種を検討するよう呼び掛けています。ワクチンの接種に関しては年齢や持病の有無により費用や接種できる場所(医療機関や健康センターなど)が異なり、子どもや高齢者、ハイリスクな人は費用が全額無償、その他の一般の人も政府から費用補助があります。

(詳細)https://www.chp.gov.hk/files/pdf/2024-25_siv_table_bilingual.pdf