2026年10月12日より、香港と深圳のボーダーに位置する新たなイミグレーション施設「新皇崗口岸」の運用が始まりました。香港のメディアは運用開始から1週間後の様子について報じており、それによると1日の利用者は約8万人で、特に10月16日(金)は9.2万人を超え、17日(土)には約13万人だったということです。改築前の3〜4万人と比べると2倍以上に増えた計算です。そしてこれまで主に利用されていた羅湖・落馬洲の利用者は3〜7%ほど減少したということです。今後もこの流れは顕著になりそうです。新皇崗口岸の特徴は大きく2つあり、まず1つ目は24時間利用できるということです。設計上の処理能力は1日20万人で、将来的にMTRの北環線支線が開通すれば、約30万人まで処理する計画です。2つ目の特徴は手続きの効率化です。「合作査験、一次放行」と呼ばれる香港側と深圳側の双方協力のもと、一回の検査で通過できる方式が採られています。利用者にとっては、待ち時間が一番気になるところですが、越境バス会社のコメントでは、従来に比べ出入境の手続きにかかる時間は短くなった印象ということです。香港旅行促進会も今後の見通しについて、今後は新皇崗口岸を経由する香港発の観光ツアーが増えるだろうと予想しています。
また10月16日、広東省から香港へヨットで乗り入れる新しい制度が始まりました。香港では初航海を祝う式典が開かれ、広東省と香港の間をヨットで旅する制度が正式にスタートしました。初日は広東省のヨット5隻が、大嶼山のヨットクラブに到着しました。この制度は、今年6月に香港のヨットが広東省へ向かう北上スキームが先行して始まり、9月に海事処と広東海事局が取り決めに署名し、今回の南下スキームが実現しました。広東省のヨット所有者が通関などの越境手続きを進めやすくなるよう香港側の仕組みが整ったことで、双方の行き来が可能になりました。 この制度の狙いについて、越境でのレジャー消費を押し上げ、広東省・香港・マカオを結ぶ大湾区の互いの交流を促すためだと言われています。さらに、ヨット経済は、先日発表された香港五カ年計画と2026年の施政報告の両方でも、重点分野に挙げられています。これらのヨットは一般の観光客が気軽に乗れるような定期路線の交通手段ではないため、対象はヨットを所有する人に限られます。香港の海に広東省のヨットが見られる光景は、今後はそれほど珍しくなくなるでしょう。徐々に香港と大湾区とのつながりが、目に見える形になってきています。
また、来たる11月1日(日)に、「北部都会区マラソン」が開催されます。主催は「郷議局」という新界の各村を代表する諮問機関で、その創立100周年にあわせた大会です。種目はフルマラソン、ハーフマラソン、10㎞、1.6㎞の4種目です。コースが特徴的で、フルマラソンは沙田の石門にある郷議局新界大廈をスタートし、吐露港のプロムナードを進みます。その後、大埔の元洲仔や林村河を通り、粉嶺バイパスにゴールします。この粉嶺バイパスがマラソンのために開放されるのは、今回が初めての試みです。普段は車でしか通れない道を、自分の足で走る体験はとても貴重です。またゴール後の楽しみもあり、北区運動場では伝統的な村の料理を味わえる交流イベントが開かれます。地元の飲食店や小売店と提携した、参加者向けの各種ディスカウントも用意されています。参加人数については、約1万5千人が走る予定です。このマラソンの背景には、今香港政府が特に力を入れている北部都会区の開発構想があります。
もうひとつ、ここ最近の香港で話題になっているニュースをご紹介します。職場の仲間同士が共同で購入した宝くじが当選したことにより、法廷沙汰になっています。事の発端は9月5日の宝くじ(マークシックス)でした。職場の仲間15人が共同でお金を出し合って宝くじを買うことになり、そのうちの1人が皆の代表で購入しました。そしてそれが当選したのですが、その購入した人が、約束していた分配を断ったといいます。金額は約3,300万香港ドル規模とされており、今のレートで日本円にすると、6億円以上という大金です。警察は、当選金を持ち逃げした疑いで36歳の男を逮捕しました。報道によれば、男は当選金をすべて定期預金に入れたと主張し、同僚から要求された「出資額に応じた分配」を拒んだとされています。そして10月下旬、この件が高等法院(高等裁判所)への訴訟に発展したと伝えられました。専門家によると職場仲間での取り決めは、法的拘束力のある契約になり得るといいます。ただし、事前に分配の合意が明確であることが重要です。金額が大きければ、争う裁判所も変わります。7万5千香港ドル以下の少額請求は小額銭債審裁処、300万香港ドルを超える紛争は、高等法院が扱います。香港に限らず職場で宝くじを共同購入することは身近に有り得り事ですが、もし当たったら、誰が受け取り、どう分けるかまで当たる前から詳細に決めておくというのが、この事件の教訓になっています。