<海外旅行熱の高まり>
9月26日より香港入境者のホテル強制隔離が廃止されると、香港発着の旅行を計画する人が急増し、航空券の予約サイトにアクセスが集中しました。フライト路線も今後徐々に増えていく見通しですが、燃油サーチャージなど昨年から高騰が続いていることも加え、航空券の価格はコロナ前に比べると倍近くになっています。今すぐ出発する予定が無いものの、今後の海外旅行に備えパスポートの更新手続きする市民も増えました。
また日本も10月11日より水際対策を緩和します。今後はツアーではなく個人旅行が解禁され、同時に短期訪問者のビザ免除、1日の入国者数の上限撤廃、さらに入国時のPCR検査も不要で日本へ入国後の待機期間も不要となりました。今後必要となるのはワクチンの3回接種証明か、出発72時間以内の陰性証明のみとなります。接種証明・陰性証明のいずれかはアプリ「MySOS」で出発前に提出しておくと入境時の手続きがスムーズです。これまでワクチンは日本が認可したものに限られていましたが、今後はWHOのリストに記載されたものが認められるようになり、中国製ワクチンである香港で接種されている科興製のシノバックも含まれます。多くの香港人、香港に関わりのある日本人にとって、香港と日本双方の水際対策の緩和は長らく待ち侘びた朗報となりました。
<人気の海外旅行先>
海外旅行の解禁に旅行業界も湧いており、各国の水際対策の緩和状況や入境時に必要な条件などを取り上げ、旅行関連の情報を絶えず発信しています。香港人に人気の海外旅行先は、日本、韓国、台湾、タイ、シンガポールなど、そしてオーストラリア、イギリス、カナダなどで、日本はこれからの時期ちょうど秋で紅葉シーズンということもあり、日本各地の紅葉スポットは旅先として注目を集めています。日本の中で旅先として人気なのは北海道、東京、大阪、京都、沖縄となっています。リピーターには東北、四国、九州も人気です。
<日本―香港往復、各航空会社の動向>
・キャセイパシフィック航空
10月からフライト200便を増やす計画を発表しています。
10月より東京(成田)と大阪へのフライトをそれぞれ43便、50便増加
11月1日から、東京(羽田)への毎日のフライトを再開
12月1日から、札幌への週4便のフライトを再開
・全日空(ANA)
10月31日から、東京(羽田)へのフライトを再開し、週4往復します。
現行の東京(成田)への週3便を合わせると東京―香港間は週7便となります。
・香港エクスプレス
今後3ヶ月(10月~12月)で400便(8万席)のフライトを増便させる計画です。
香港発着では東京、大阪、福岡、バンコク、シンガポールの往復路線で、特に東京(成田)のチケットは往復1万香港ドルを超えているにもかかわらず、すでに一部は満席となっています。
<香港内の観光、今後のイベント>
日本と香港の往来がコロナ前のように回復する日も近く期待できそうです。香港政府観光局は日本向けに観光客誘致のマーケティングを進めており、キャンペーン「Hello香港」を展開する予定です。コロナ禍の約3年の間に、多くの飲食店や小売店が閉鎖しましたが、一方で新たな観光地として美術館「M+」や「故宮博物館」がオープンし、歴史的建造物を保存利用した再開発、ディズニーランドやオーシャンパークのリニューアルなど、コロナ前と違った姿に進化し活気づいています。
注目のイベントはまず「香港セブンス」の開催、香港ラグビー協会は9月29日から、7人制ラグビー大会「香港セブンズ」のチケット販売を開始しました。11月4日~6日にハッピーバレーの香港スタジアムで開催されます。
そして国際マラソン大会「スタンダード・チャータード香港マラソン」も来年2月12日に開催する方向で調整されています。今月16日には大会を中止すると発表されていましたが、政府と協会との交渉の末、来年2月で開催を目指すということです。
<香港ステイケーション>
また、コロナ禍で海外に行けない状況から生まれた「ステイケーション」は新たな余暇の楽しみとして定着しつつあります。香港には世界に誇れる高級ホテルが林立していますが、コロナ禍で海外からの観光客が減少した結果お得な「ステイケーション」パッケージが生まれました。香港に住んでいると旅行者の様にホテルを利用する機会はあまりないものですが、ステイケーションにより気軽にホテルで家族や友人、恋人などと余暇を過ごすことができるようになりました。ペニンシュラホテルやフォーシーズンズホテルなど五つ星ホテルはやはり人気があり、従来の宿泊料金に比べると非常に格安で利用することができます。ホテル内でアフタヌーンティやディナーを楽しんだり、オーシャンビューの部屋でSNS用の写真を撮ってくつろいだり、翌朝の朝食も楽しめます。香港にいながらにしてラグジュアリーな非日常を楽しむことができるため特に女性に人気です。今後、香港に海外からの旅行客が増えてホテルも賑わってくるでしょうから、ステイケーションをまだ格安に楽しめるチャンスは今かもしれませんね。