香港での不動産購入方法

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香港での不動産購入方法

世界でもトップレベルの高さを誇る香港の不動産価格ですが、このほど山頂(The Peak)にあるマンション「MOUNT NICHOLSON」第3期16楼D室が、アジアで最も高い価格で売れたことが明らかになりました。新型コロナウイルスにより香港の不動産価格は頭打ちかとの見方もあったものの、まだまだ香港の不動産は競争力があるようです。

不動産価格の高い香港で人々は収入の大半を家賃の支払いやローンの返済など住宅関係に費やします。香港は狭い土地に世界中から人が集まっているため人口密度が高く、常に住宅は需要過多という状態です。香港の不動産市場はこのコロナ禍にあっても概ね右肩上がりに推移しており、長期にわたり賃貸を続けていると家賃は高くなるばかりで、不動産の購入を考えるのは香港人のみならず香港居住の外国人も同じでしょう。SARSが流行した時も、2009年のリーマンショック後も、不動産価格は一時暴落したとはいえまた高騰することの繰り返しでした。このコロナ禍も長い目で見れば買いのチャンスと捉える人もいるのか、不動産を売りたい人もいれば買いたい人も必ずいるため不動産価格は高い水準を維持しています。

今回は、香港の不動産の買い方について書いていこうと思います。

<土地は香港政府の所有>

香港の不動産の購入にあたって、まず香港の土地は香港政府の所有と言う大前提があります。一見、私有地のように見える土地でもそれは香港政府からの賃貸借(リース)という扱いになっています。したがって外国人が土地を購入することはできません。土地の賃借は香港政府とデベロッパーが契約を交わし、「土地の賃借権」を設定します。土地の付着物である建物(マンションなど)は土地の一部として見なされます。そのため土地が処分される場合はその付着物である建物も同様に処分されます。マンションには香港政府からの定期借地権がついており、その期間は49年~999年となっていますが、期間が満期となっても更新することは可能です。

<特別印紙税>

少し前、外国や中国本土からの人々によって香港の不動産が買い漁られ、不動産価格が急高騰した時期があります。それを受け、2016年11月より2戸目以降の住宅の購入にかかる印紙税が一律で15%に引き上げられました。

<購入の流れ>

まずは不動産屋(エージェント)探しです。すでにある中古物件を購入する場合は、いくつか不動産屋を尋ねて話を聞いてみると良いでしょう。香港には大小さまざまな不動産屋があり、支店を多く持つ大手から、その地域で長年営んでいる個人規模のお店など多岐にわたります。香港には日系の不動産屋もありますので、言葉に自信がない場合でも気軽に相談できます。一般的に不動産屋の仲介手数料は1%です。

続いて、希望の条件から紹介してもらった物件の中で、購入したいと思うものが見つかれば内見します。まだその物件の住人が引っ越しておらず、住んでいるところを内見させてもらうこともあります。気に入ればエージェント経由で売り手と値段や条件を交渉し、相手と譲歩しあいながら妥協点を探り合いましょう。

取引価格が成立したら、購入の申し込みをします。不動産屋と売主と買主が集まり、不動産屋が用意した申込書にサインを記入します。

続いて支払いは弁護士を介して行われます。

1回目の支払いは交渉成立後すぐ、購入金額の1%ほどを支払います。
2回目の支払いは約1か月後、購入金額の10%ほどを支払います。
3回目の支払いは物件を明け渡す1週間前に、残金を支払います。

住宅ローンは50%~90%を目安に利用できます。収入など審査がありますので銀行への確認が必要です。また、弁護士を依頼するため弁護士費用もかかります。

<新築のマンションは抽選>

すでに成熟しきっている市内の中古不動産市場とは別に、郊外では新築のマンションも多く建設が進められています。新築のマンションはやはり人気があり、昔の間取りと違って最近は手頃な広さでありながら機能的なレイアウトが多く見られます。新築マンションの購入申請はまだ物件自体が建設途中のことが多く、引き渡しが1年以上先になることもよくあります。

新築のマンションはまず抽選販売の予約が必要で、モデルルームを内見した後、購入の意思があればデポジットを10万ドルほど入れて抽選に申し込みます。その後、抽選によって決まった番号順に購入が可能になります。番号が前の人から、そのマンションの好きな部屋を購入して行くため、番号が後になるほど選択肢が少ないことになります。もし気に入った部屋が完売していたなら、購入を見送っても構いません。申し込み時のデポジットも返金されます。

気に入った部屋が見つかり仮押さえをしたい場合は、購入価格の3%の手付金を支払います。その後、本契約には7%ほど弁護士を介して支払い、残りは物件の引き渡し時に支払います。

去る9月にも、香港ではワクチン接種の推奨キャンペーンとしてワクチンを接種した市民を対象に豪華賞品が当たる抽選会が行われました。その時の1等の賞品は1億5千万円相当のマンション1室で、いかにも香港らしい賞品だと話題になりました。