日本の生活雑貨店「LOFT」が、約15年ぶりに香港へ戻ってきます。8月下旬、旺角の大型商業施設「MOKO」に1年間限定のポップアップストアをオープンすることが発表されました。文房具やコスメ、生活雑貨など、日本で人気の商品が数多く並ぶ予定です。香港では日本の生活雑貨への人気が高く、今回の出店にも大きな期待が寄せられています。LOFTの香港上陸は今回が二度目で、前回は1990年の初上陸から2011年の閉店まで、金鐘のパシフィックプレイス内にあった西武百貨店に出店していました。今回のLOFTの再上陸は、香港で「3coins」を展開するYAICHIグループが運営します。
また8月6日の映画公開に先立って、香港では日本のキャラクター「ちいかわ」が街中を盛り上げています。劇場版「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」は日本公開からわずか2週間遅れという異例の早さで香港でも公開されます。日本では公開後、可愛さだけでは終わらないダークな作品の内容に注目が集まっていますが、香港ではどんな評価になるでしょうか。7月10日から旺角のランガムプレイスでは、映画公開に先行して記念イベント「CHIIKAWA’S ADVENTURE」を開催しています。館内には映画の世界観を再現したフォトスポットやポップアップストアが登場し、初日から多くのファンでにぎわいました。
さらに香港マクドナルドでは大規模なコラボレーションを実施しています。銅鑼湾店と九龍湾店の2店舗が期間限定のコンセプト店としてちいかわ仕様となり、店内外がキャラクターで彩られました。ハッピーセットのおもちゃや香港限定の開運お守りも人気を集め、発売時には多くのファンが店舗を訪れました。
そして、香港ならではの展開といえば、交通系ICカードのオクトパス(八達通)とちいかわのコラボレーションも話題になりました。ちいかわ、ハチワレ、うさぎなど人気キャラクターをデザインした限定オクトパスカードが登場し、日常的に使えるアイテムとして多くのファンから注目を集めました。日本のキャラクターがオクトパスと組み合わせて展開されることは、いかに香港の若者やファンの日常にちいかわが入り込んでいるかを表しています。屯門・元朗エリアのライトレール(軽鉄)ではちいかわのラッピング列車が、香港島を走るトラムでも全面ラッピング車輛が運行しています。ちいかわ人気によって日本のカルチャーが香港で強い存在感を持っていることを再認識させられます。
香港で日本の文化が人気を集めてきた背景には、長い交流の歴史があります。1980年代から1990年代にかけて、日本のテレビドラマ、音楽、ファッション、アニメ、漫画が香港で広く受け入れられました。当時の日本の流行は香港の若者にも大きな影響を与え、歌手や俳優、日本の雑誌、ストリートファッションなどが憧れの対象となりました。ちょうど今の40代~50代の世代が、当時の若者層に当てはまります。日本に興味を持ち、日本語を勉強する人も少なくありませんでした。そして日本への旅行が身近になるにつれて、日本の食文化や生活スタイルへの関心も高まりました。寿司、ラーメン、コンビニ文化、文房具、コスメなど、日本の日常的な商品やサービスは、今や香港の暮らしに自然に取り入れられています。香港は海外の新しい文化を受け入れやすい国際都市であり、東西の様々な文化にアクセスしやすい特徴がありますが、日本製品の品質の高さや信頼、きめ細やかなサービス、かわいらしいデザインといった部分が香港人から高く評価され、今なお支持されています。
韓国のK-POPや韓国ドラマが世界的な人気を博している現在、香港の若者の間でも韓国文化への関心は非常に高まっています。韓国の音楽、ファッション、美容、映像作品はSNSを通じて広がり、韓国へ旅行したり、韓国語を学んだり、韓国は若い世代のトレンドの一つになっています。しかしながら日本文化の人気が衰えたわけではありません。香港の若者の間では、アニメ、漫画、キャラクター、ゲーム、日本食、旅行先としての日本への関心は依然として強く、特に「ちいかわ」のようなキャラクター文化は若い世代にも広く支持されています。韓国文化が最新のトレンドとして広がっている中、日本文化は今の親世代が子どもの頃から親しんできた文化であり、安心感を持てて憧れを感じる文化として今も変わらず、むしろ当たり前のように香港人に根付いています。
高知県と香港の長洲島(チョンチャウ)を舞台にした香港映画「久別重逢(Last Song For You)」があります。2024年12月に香港で公開された作品で、邦題を「ラスト・ソング・フォー・ユー 邂逅の浜辺」として2026年12月に日本で公開予定です。監督のジル・リョン氏はまさに幼少期から生活の中に日本のカルチャーが溶け込んだ環境で育った世代で、日本での撮影も、自身が旅行して素晴らしい印象を持ったという高知県で行われました。香港人にとって日本は第二の故郷と言うくらい、彼らは日本を身近に感じています。日本と香港がこれからも友好な関係で文化交流が続き、信頼関係を維持していけると良いですね。