今年の香港の旧正月は2月12日が旧暦の元旦にあたり、12日(金)~15日(月)の4日間が連休となります。新型コロナウイルスが流行して丸一年が過ぎましたが、現在も公共の場では最大2名までしか集まれないなど各種対策も引き続き行われており、旧正月恒例の花火も中止が決まっています。通常なら大勢の親せきと賑やかに迎える旧正月ですが、今年も静かに迎えることになりそうです。
1月下旬に佐敦でロックダウンが行われてから、香港政府は藍田、尖沙咀、元朗、九龍城など各地で毎日のようにロックダウンを行っています。また方法も、対象区域の住民が移動しないようロックダウンの事前連絡は一切無く、突然封鎖されたのちに住民の強制検査が実施されます。ロックダウンを行う目安としては「1つのビルで過去14日間に新規感染者が2名以上発生した場合、感染経路不明の感染者が1名以上出た場合、下水からウイルスが発見された場合」とされています。全数検査が終わるまで人々は対象区域の外に出ることができないため、たまたま当該ビル内の店舗にいた客であっても足止めされてしまします。いつどこでロックダウンが実施されるか分からないため、外出先で不用意に遭遇しないよう気を付けたいものです。
さて、コロナ禍にあっても香港の不動産価格は2020年全体で見ると上昇という結果になりました。香港政府差餉物業估価署が1月27日に発表した民間住宅価格指数によると、2020年12月は3カ月連続の下落で直近8カ月では最も低い水準だったものの、2020年としては0.03%の上昇で、直近12年連続でプラスの結果となりました。新型コロナウイルスの影響で経済が落ち込んでいますが、新築物件の販売は好調ということで2021年の上期も上昇が見込まれています。
香港の不動産取引に関して、昨年11月26日の取引より「Doubled Ad Valorem Stamp Duty(DSD:非住宅物業雙倍從價印花稅)」が撤廃されました。これは香港の不動産市場の行き過ぎた上昇を抑制するために2013年から導入された制度で、非居住用不動産取引における印紙税を2倍とするものでした。DSDが撤廃されたことにより、今後も企業間での不動産売却が促進されると見込まれています。
さて香港でオフィスや住宅を探す際、不動産屋で目にする単位に「スクエアフィート(呎、sqf、sqft)」があります。香港では英国植民地時代の名残で現在もヤード・ポンド法が使われています。
平米(㎡)に換算するには、次のように計算します。
スクエアーフィート(sqf)×0.093=平米数(㎡)
例:500sqf×0.093=46.5㎡
坪数に換算する場合は平米数に0.3を掛けます。
平米数×0.3=坪数
例:46.5平米×0.3=13.95坪
つまり500sqfは、13.95坪となります。
日本でもかつて「尺貫法」という長さや面積の単位系が使われており、計量法が制定される1951年まで一般に使われていました。かなりご年配の方にとって、長さは「メートル」より「尺」の方に馴染みがあるかもしれません。現在の日本でも一定の条件下で尺貫法は残っており、不動産における「坪」は前述の通りで、一升瓶(およそ1800ml)、食パン一斤(340g以上)など生活に浸透しています。
もともと日本の尺貫法は中国が起源で、日本を含むアジア諸国で広く使われていました。中国語では尺貫法ではなく「尺斤法」と呼ばれます。また、現在世界的に用いられている国際単位系のことは「公制」、ヤード・ポンド法のことは「英制」と呼ばれ区別されています。英国植民地時代の香港においては、イギリスがメートル法に移行し始めた1970年代からメートル法が徐々に広がりました。
現在の香港は基本的にメートル法なので、公には長さがm、重さはkgが浸透していると考えて差し支えありませんが、日本の現状と同じく、やはり香港人の生活の中にはヤード・ポンド法が根強く残っています。賃貸物件を借りる際にフィートを用いるのは述べましたが、身長なども一般的にはフィートが用いられます。身長を聞かれて「170㎝」と答えると、「それは何フィートなのか」と聞かれたり、フィートに換算し始めたりします。この場合は「5.57フィート」と答えるのがベストです。さらに体重を聞かれた場合も、60㎏の人の場合は「132ポンド」と答えると相手に分かりやすく親切です。最低限、自分の身長と体重をフィートとポンドで答えられるよう覚えておくと便利です。それから、香港のマーケットで買い物をする際は斤やポンドを使います。スーパーでパック包装されたお肉を買うとしてもポンドで表記されていることが多く、何ポンド必要なのかポンドで理解できるとスムーズです。1ポンドはおよそ453gで、100gは0.22ポンドです。
少し話がそれますが、香港人女性に体重を聞くと躊躇せず教えてくれることがあります。しかしながら年齢を聞くことはあまり好ましくありません。欧米諸国と同じく相手に年齢を聞くことはマナー違反で、履歴書などに年齢を記載しないことも多々あります。例え聞いても答えを濁されてしまうことが多く、香港人同士でもあまり年齢を聞くことは無いため、友人や同僚の年齢をはっきり知らないということが普通です。もちろん、子どもに年齢を聞くことは失礼にあたりません。香港人とコミュニケーションを取る際には是非気を付けてみてくださいね。