香港での詐欺に関する注意喚起

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香港での詐欺に関する注意喚起

在香港日本国総領事館より、今年4月に香港の日系企業を狙った詐欺未遂事件が複数件発生しているとの注意喚起がありました。片言の日本語を使う人物から、M&Aの交渉のため指定の弁護士と連絡を取るよう促すものです。多様化する詐欺の様々な手口を知っておけば、余計なトラブルに巻き込まれずに済みます。

かつて香港・マカオを含む東南アジアでは、日本人旅行者を狙った「トランプ詐欺」が横行していました。香港においてトランプ詐欺が最も多かったのは2006年ごろの尖沙咀、尖東エリアです。犯人は片言の日本語や英語でターゲットとなる日本人に気さくに話かけ、身内が近々日本へ留学するので日本のことが知りたい、友達になりたいなどと理由をつけて近づいてきます。最初は観光案内をするなど親切にしてくれますが、理由をつけて自分の部屋(あるいは借りている部屋)へと連れ込みます。その部屋に数人が集まるとトランプを使ったギャンブルが始まります。こっそり勝てるコツを教えてくれるので最初はターゲットが勝つのですが、次第に高額のお金を掛けさせられ、最終的に多額のお金を掛けたところで負けて現金を取られてしまうというパターンです。トランプ詐欺は一人で旅行中の日本人が狙われやすく、また日本から転勤してばかりでまだ友人や知人の少ない孤独な駐在者もよく狙われました。

続いて、数年前から世界中で横行している「ロマンス詐欺」は香港でも注意が必要です。

多くの場合は女性がターゲットで、主に出会い系サイトやマッチングアプリを通じてやりとりが始まります。出会い系でなくともLanguage Exchangeなど相互学習を目的としたもの、FacebookやInstagramなどのSNSにダイレクトメッセージが来るなど、最初のきっかけは様々です。見ず知らずの男性から突然連絡が来て、写真とプロフィールが好青年だからと軽い気持ちで相手をすると、WhatsappやSkypeなどのツールに移行してコミュニケーションが続きます。詐欺師は多くの場合、英語でコミュニケ―ションを取ってきますが正体が西洋人とは限りません。香港在住の日本人の方は英語で外国人とやりとりすることに抵抗がないので、それが逆に警戒心を低くさせる要因になります。詐欺師は大げさなほどに愛を表現してきて、ターゲット女性は最初こそ戸惑いながらも悪い気はせず、数ヶ月もの長い時間をかけて信頼関係を確立するので、本当の恋人と思うようになります。恋人同士になると、今度は何かと理由をつけて送金をするよう頼まれます。もちろん直接会おうとすると口実をつけて避けようとします。何度か送金した挙句に、連絡が取れなくなり、騙されていたことに気づいた時には手遅れとなりします。周囲から見ると会ったこともない人物に送金をするなど信じられないかもしれませんが、騙されている本人には彼が心の拠り所となっており、全財産を失ってもまだ詐欺にあったことが受け入れられないケースもあります。そもそも英語がさっぱり分からなければ意思疎通のしようがないので、特に中年以上の高学歴、高収入の独身女性が騙されやすく注意が必要です。

そして、最近はコロナ禍でますます複雑化しているのが投資詐欺です。ロマンス詐欺と同様に、SNSなどを通じたコミュニケーションから始まり、親しくなってきたところで投資や仮想通貨の購入を持ち掛けられます。詐欺師が紛れ込むサイトでは特に世界最大級のマッチングアプリTinder(ティンダー)が有名です。

投資詐欺で近づいてくるのは美女が多く、男性がターゲットにされます。もちろん美女と言っても偽の写真を使っているので本人ではありません。メッセージのやり取りが始まると、最初は食べ物や日常のことを話題にして、詐欺師はごく普通の人物のような振る舞いをします。それから徐々に彼女が投資をやっていること、投資に詳しい親族がいて儲けていることなど、自然なやりとりの中に投資の話題を入れてきます。さりげなく自分が株を購入しているサイトのスクリーンショットを送ってきたり、SNSに高級車やホテルでの食事など贅沢な生活をしている様子を投稿したりと、稼いでいでいることを徐々にアピールしてきます。そして信頼している貴方にも儲けさせてあげたいと一緒に投資をするよう誘いがあります。指定されたサイトで言われた通りに投資を始めると最初は儲かります。そのうちだんだんと掛け金を多くする必要が出てきて、何千万円もつぎ込んだ挙句に株が暴落し、同時に詐欺師とは連絡がつかなくなります。もちろんお金をつぎ込んだ先は偽サイトです。上手い話があるわけないと思うかもしれませんが、意外と投資を全くやっていない人よりも、投資をしている人の方が一攫千金を狙ってこういう話に乗ってしまう傾向があります。もしオンライン上で知りあった外国人の美女とやり取りをしていて、投資の話を持ちかけられたなら今すぐ詐欺を疑った方が良いでしょう。投資詐欺の被害者も大半が40~60代で多くが高学歴の人です。誰もが自分は騙されないと思っていますが自分を過信せず、自分も詐欺に遭うかもしれないと思う心が身を守ります。