訪日香港人の特徴

Blog

訪日香港人の特徴

3月11日のWHOの会見で新型コロナウイルス(COVID-19 ) はパンデミック(世界的な大流行)と宣言されました。全世界で感染が広がる中、香港での感染者数は3月12日の時点で129人となりました。更なる感染拡大を防ぐため、香港政府は検疫強化を実施しています。

香港政府は3月14日より香港居住者・非居住者ともに北海道からの入境者に対して14日間の隔離措置を実施すると発表しました。過去2週間以内に北海道に滞在歴のある人も指定施設での待機対象となります。北海道以外にも、これまですでに中国大陸、韓国、イラン、イタリア、それからフランス・ドイツ・スペインはそれぞれ一部地域からの入境者に対して14日間の強制隔離の対象としています。

一方、香港でも大きく取り上げられましたが日本政府は3月9日から31日まで中国(香港・マカオを含む)と韓国からの入国制限を発表しました。中国(香港・マカオを含む)と韓国からの旅客機は成田空港と関西国際空港に到着地が限定され、日本滞在90日間のビザ免除措置も停止となったため、これらの地域からの観光客は3月末まで日本へ入国ができない状況となりました。

航空便について、キャセイパシフィック航空と香港エクスプレス航空が3月31日まで日本便を運休すると発表しています。こういった状況から現時点において日本から香港へ移動する場合、過去14日間北海道に滞在歴がなければ香港へ入境できますが、香港から日本へ移動する場合は14日間の隔離措置が求められるということになります。香港人は日本好きの人が多く、日本食、電化製品、アニメ、若者ファッション、音楽や芸能界など日本のあらゆる分野に関心が高い傾向があります。旅行で訪日する香港人も多く今回の措置で旅行が取りやめになってがっかりしている人も少なくありません。

JETROによると2020年1月時点で訪日外国人の国別ランキング第4位が香港で、新型コロナウイルスで減速するここ最近までその数字は増加の一途でした。ランキングの第1位は中国、2位は台湾、3位は韓国、となっており日本のインバウンド市場において香港人観光客は重要なウェイトを占めています。そんな日本を訪問する香港人観光客の特徴を以下に挙げてみましょう。

<リピーターが多い>

地理的に狭い場所に住んでいる香港人にとって、海外旅行は日本人が考えるよりもずっと身近です。大部分の香港人が一度は日本へ行ったことがありますが、驚くべきはそのリピート率です。初めは東京など都市部を訪れ、2回目からは関西や九州、沖縄や北海道などへ行き、その周辺の観光地を訪れます。一口に日本と言っても、毎回違った目的地を旅する傾向があります。

<1回の滞在日数が長い>

香港人の旅行の特徴として、滞在日数が平均7日前後と比較的長いことも挙げられます。私たち日本人が香港旅行をするなら、週末や連休を使って一般的に2泊3日か3泊4日ですが、香港人はせっかくの海外旅行なのに短期滞在では航空券がもったいないと考えます。その背景には香港の職場の有給取得に対するハードルの低さも関係していて、休暇の最終日より1日前に香港へ戻って旅行で疲れた身体をしっかり休めてから出勤する人もいます。香港人はせっかちな印象ですが、旅はゆったりしたいと考える人が多いようです。

<団体旅行よりもグループ旅行>

団体行動よりも個人行動が好きな香港人らしく、団体ツアーで日本を訪れている香港人はあまり見かけません。中国人のツアー観光客のご一行は香港でも日本でもよく見かける光景ですが、香港人は気の合う仲間や家族とグループ旅行をする人が多いです。元来、彼らは大人数でわいわい楽しみたいという気質があるので、身内でのグループ旅行がちょうど良く、逆に一人で旅行に行くという人は稀です。

<食への関心が高く、食事への消費が多い>

香港はグルメの街と言われていますが、香港人は日本食が非常に好きです。食べることに関して貪欲な香港人は旅行中もやはり美味しいものには目が無く、日本人でもあまり普段食べないような国産ブランド牛、海鮮などご当地グルメには惜しみなくお金を使います。彼らにとって食事は一つの娯楽だと言えます。

いくつか香港人旅行者の特徴について挙げました。最近は旅行前や旅行中の情報収集にはガイドブックよりも旅ブログなどのサイトやSNSの活用が欠かせません。訪日観光客を誘致する日本側も、外国人向けの情報サイトやアプリを積極的に提供しています。

新型コロナウィルスがSARSのように終息する日が果たして来るのか現時点では不透明ですが、リーマンショックや東日本大震災の時も、インバウンド市場はその度に落ちこんで、また回復してきました。今回も事態が落ち着いて日本と香港両方の入国規制が解除されたら、再び多くの香港人が日本を訪れてくれることを期待しています。日本側としては今のうちに日本の観光地へ誘致するコンテンツの充実や、広告などの情報発信を続け、引き続き香港人旅行者のモチベーションを上げ続けることが効果的だろうと思います。