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今年は例年と異なる端午節

6月も半ばになり香港は雨季の真っ只中です。雨がよく降り湿気も高く、蒸し暑い日が続いています。この週末の香港は台風2号の影響で天気は荒れ、13日(土)の午後にはシグナル3が発令されました。今回の台風は香港にあまり接近することなく通過して行きましたが、これからが本格的な台風シーズンの到来です。

大きな台風が来る前の香港では必ず食料などの「買占め」が起き、スーパーから生鮮品が消え、レジには長蛇の列ができます。台風はせいぜい2日程度で過ぎるのに大げさな、と香港人のこうした行動は日本人の目には不思議な光景に映りますが、それには香港独特の理由があります。香港は普段からスーパーや市場 (街市)があちこちにあり、いつでも買い物に行ける利便性と、住居の狭さから食品の買いだめをする習慣は日本ほどありません。肉、魚、野菜、果物に関してはより新鮮なものを好むため、その日調理する食材はその日に調達する人が多いというのも理由のひとつです。香港全体で見ても、物流がうまく機能していれば、倉庫代のかさむ香港で過剰な在庫を持つ必要もありませんが、いったん流通がストップしてしまうと途端に影響が出てしまうのです。例え台風が2日で過ぎたとしても、その後の数日はスーパーも品薄の状態が続くので、生鮮品の種類が限られたり、価格が一時的に高騰したりします。外食しながら数日くらいやり過ごせるとしても、やはりこのシーズンは日頃からある程度の食料を備蓄しておくに越したことはなさそうです。2018年9月のスーパー台風が来る直前には窓を補強する養生テープも入手困難となりましたので、養生テープも一つか二つ家にあると安心です。

さて、6月の行事といえば6月25日は端午節です。中華圏において「春節、端午節、中秋節」は三大節句と言われる大切な伝統行事です。端午節には粽(ちまき)を食べますが、日本の「端午の節句」で食べる淡泊な粽とは異なります。中華粽は塩漬けの卵黄や叉焼をもち米で包んで、さらに笹の葉でくるんで蒸したもので大変ボリュームがあります。月餅にも定番で入っているこの塩漬けの卵黄が苦手な方には「水晶粽」がおすすめです。こちらはデザート粽で、もち米の代わりに透明なタピオカを使用し、中の具は小豆やナツメなどを入れて作られています。表面は透き通っており見た目も涼し気ですし、味もほんのり甘くて馴染みやすいので、もしこの時期どこかで見かけたら是非お試しください。また、端午節は例年であれば香港の各地でドラゴンボートレースが行われ風物詩となっていますが、今年は新型コロナウィルスの影響で残念ながら全ての会場でのレースが中止となっています。

6月14日の時点で香港における新型コロナウィルスの感染者は1110人、そのうち1061人がすでに退院、44名が現在も入院中です。最近は沙田の同じマンションの居住者の中から新規感染者が相次いでいます。引き続き油断できませんが、感染者は限定的といえるでしょう。また香港は医療機関における院内感染のケースが圧倒的に少なく、医療現場における感染症対策のレベルの高さを実感します。現在は空路により香港へ入境した人への健康チェックも徹底しており、14日間の隔離期間中に着用が義務付けられているリストバンドにもGPSが搭載されています。また、政府から1人あたり10万HKドルの支給される助成金に関して、いよいよ給付申請の受付が6月21日から始まります。受け取りは7月8日から可能となります。

また6月初旬の会見では、下記のように香港の入境規制措置等の延長が発表されました。

・「中国本土、マカオ、台湾から入境後14日間の強制検疫」を7月7日まで延長。

・「海外からの入境する香港居民の入境後14日間の強制検疫」を9月18日まで延長。

これについて、ここ2週間ほどの状況から規制解除の日程の前倒しを検討する案も浮上しています。

香港政府は近隣地区であるマカオと広東省と協力し、3地で新型コロナウイルスの検査結果を相互承認して検疫を免除する計画を進めています。これは香港政府認可の検査機関で検査を受け、結果が陰性の場合に個人の健康コードが取得でき、有効期間中は香港、マカオ、広東省の間での往来において検疫が免除されるというものです。検査費用は自己負担で一回1000~2000ドルの見込み、政府承認の病院等の検査機関は10ほどリストアップされており養和医院、仁安医院、港安医院などが含まれています。新たな取り組みでまずは近隣地域から経済活動を段階的に再開させる狙いがあります。

以前のような香港の街を埋め尽くすほどの観光客は依然として姿を消したままですが、今は街に香港市民が往来し、少し前に比べれば活気のある日常を取り戻しつつあります。新型コロナウィルスと共存するための「新たな生活様式」は世界中で言われていますが、これだけの人口密度で感染拡大の抑え込みに成功している香港市民の姿には学ぶべき部分が多いと感じます。